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自靖自献――自ら靖んじ自ら献ずる 「人間学が盛んにならなければ本当の文化は起こらない。 民族も国家も栄えない。これは歴史的真理」 と安岡正篤師は述べているが、 その人間学を学ぶ者が心掛けなければならないものとして、 師はこの言葉を挙げている。 「自靖自献――自ら靖んじ自ら献ずる」 古典の名著『書経』にある言葉である。 膨大な『書経』の中から碩学はこの言葉を抽出し、 人間学を学ぶ者の要とした。 自ら靖んずるとは心の平安を保つこと、 安心立命することである。 自ら献ずるとは世のため人のために自らを尽くすことである。 自靖自献は一対だが、ポイントは自靖にある。 自ら靖んじていない人――事あるごとにイライラしたり 不平を言ったり人と衝突ばかりしている人が、 人のために尽くすことなどできるはずがない。 だが、自靖しているだけで自献しない人、 自献できない人は人ではない。 動物にも劣ると安岡師は喝破している。 自靖自献を一貫できて初めて人間学を学んだと言える、 ということである。 松下幸之助氏にこの言葉がある。 「人に安心を与えなさい。人に安心を与えることは君の信頼を築く」。 素晴らしい言葉である。 人に安心ではなく不安ばかり与えていては、 人の信頼を得ることはできない。 自ら靖んじている人であるからこそ人に安心を与え、 信頼を得ることができるのである。 |
2021.01.22 |
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