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JAXAの人材育成術 川口淳一郎(宇宙航空研究開発機構シニアフェロー) 糸川英夫先生は、戦後日本が航空技術開発を禁じられ、 他国から技術供与を受けられなかった中で 独自に宇宙開発を始められました。 そこから日本初の人工衛星の完成に至る道筋を つけられた功績はやっぱり大きいですね。 糸川先生が非常にユニークな方だったことは有名ですが、 そういう方だったがゆえに、 そこに集まった私の先生の世代もまたユニークだった。 ロケットなんて自分たちにも絶対造れると信じていたと思うんです。 そういう精神で物事に取り組む人たちというのは、 模範とか手本が要らないんですね。 日本人は何か手本がないと なかなか動けない傾向が強いと思いますが、 その集団はそうじゃなかったんです。 自分たちが最初の一歩を標すんだ、 絶対やっていけるんだと信じて突き進む。 無謀ではあるかもしれませんが、 そういう考え方こそが私たちが受けた 一番大きな影響だったと思うんですね。 ですから、私が考える糸川先生の一番の功績というのは、 そういう場をつくり、場を残してくださったことだと思うんです。 私は、人材育成というのは経験させることであって、 本や文献を読ませても育たないと思っています。 一番大事なのは、昔の徒弟制度で技術は習うのではなく 盗めといわれたように、経験を積んだ人が 仕事をしているその背中を見て育つものだと思います。 上の世代から盗む場を提供すること、 その機会を提供することこそが一番大事なことだと思います。 ですからこのJAXAで いい研究ができる最大の要因は 環境だと申し上げているんです。 私がJAXAで学んでいる学生たちと 話のできる時間は本当に少ないので、 彼らの中には自分がここにいるメリットが 分からなくなる人もいる。 けれども研究というのは 教えられるものじゃないんですよね。 それよりも、自分の周りで誰が何をしているのか、 それを見聞きすることが一番の刺激になるんです。 だから学生には積極的にプロジェクトに 参加するように言っているんです。 そこでは自分たちの少し上の准教授クラスの人たちが、 プロジェクトのために無償で一所懸命働いている。 そういう姿を見られる環境というのは 非常に重要だと思っているんです。 |
2013.09.29 |
俗望を捨てて雅望に生きよ 牛尾治朗(ウシオ電機会長) 私は懇意にしていただいていた安岡正篤先生から 「俗望を捨てて、雅望に生きよ」 という言葉をいただきました。 最初はピンとこなかったので、 「雅望とは何ですか?」 と先生に伺ったら、 「それは自分で決めることだよ」 と諭されたんです。 要するに俗望というのは、 金銭欲、成功欲、名誉欲といった俗っぽい欲望のことで、 雅望はその対極にある望みや願い、志といえます。 人生には未練を捨てて、何を大切にすべきか 選択を迫られる局面というのが必ずあります。 |
2013.09.26 |
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