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知識、見識、胆識 『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』 安岡 正篤・著 実に淡々として少しもこだわらずに 極めて平明に重職の心得べき憲法を叙述しています。 聖徳太子の十七条憲法なども非常に優れたものですが、 この心得箇条も非常にくだけた文章で しかも高い見識のもとに、 国政にあずかる重要な職務にあたるものは かくしなければならないということを、 実に要領よく把握している名作だと思います。 「深沈厚重(しんちんこうじゅう)」 「磊落豪雄(らいらくごうゆう)」 「聡明弁才(そうめいべんさい)」 の3つが人物というものを観察、表現、解釈する 古来から専門家に知られている 1つの立派な基準です。 いわれてみると成程と思います。 普通なら頭がいい、才がある、 弁が立つ、なんていうことは 誰にでもわかる大変いいこと、 優れたことでありますが、 人間学という鑑識、評価からいうと それは第三等なのであります。 知識というものはごく初歩というか 一番手近なもので、知識がいくらあっても 見識というものにはなりません。 見識というのは判断力です。 見識が立たないとどうも物事はきまらない。 見識の次に実行という段になると、 肝っ玉というものが必要になる。 これは実行力です。 これを胆識と申します。 知識、見識、胆識、 これが「識」というものの 3つの大事なことです。 |
2020.03.24 |
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