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生を惜しみ感謝しながら生きることの大切さ 日本のみならず世界にも広く知られる俳聖・松尾芭蕉。 その俳句には、様々な深い意味が秘められており、 私たちの生活を豊かにしてくれる力を持っています。 東洋思想家の境野勝悟さんに、 芭蕉の俳句を独特な視点で読み解いていただいています! 確か大学3年生の時だったと思います。 1つ上の先輩から「これを読めよ」と 勧められたのが鈴木大拙先生の『禅と日本文化』という本でした。 私が禅の教えに触れたのはこれが最初でしたが、 禅が茶道や俳句など幅広い日本文化にも影響を与えたことに 興味を覚えながら読み進めると、 そこには少年の頃から慣れ親しんだ芭蕉の句が紹介されていました。 古池や蛙飛こむ水のおと 山の中の静かな古池に蛙が飛び込んだ。 ポチャンという音が静寂を破り、] しばらくするとさらなる静寂が広がった。 それまでの私はこの句をそう解釈していました。 ところが、大拙先生の解説はそれとは全く違っていたのです。 大拙先生は古池を永遠なる自然の生命の象徴と捉えられました。 そして蛙が飛び込むポチャンという音は、 永遠の生命から比べれば一瞬に過ぎない人間の一生。 つまり、一瞬に過ぎない二度とない人生の時間を 嘆き悲しみながら過ごすことの虚しさ……。 逆に生を惜しみ感謝しながら生きることの 大切さを説いたのがこの句だというのです。 |
2020.03.02 |
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