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『生きる』それが人生で最も大切なこと 松野三枝子(農漁家レストラン松野や店主) まもなく、東日本大震災が起こってから 丸9年が経とうとしています。 震災前の2006年に末期がんを宣告されるも、 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた 地元・南三陸町の人たちのために 献身的に炊き出しなどを行なっていたことろ、 なんと3か月後には「がん」が完全に消え、 今、地元でレストランを経営する松野さん。 生きていることへの感謝を日々噛み締めている あの日のことは忘れもしません。 二週間ぶりに点滴の針を抜いてお風呂に入れることになり、 一人で浴槽に浸かっていた時でした。 14時46分、激しい揺れが襲い、 湯船の中でグルングルンと引っ掻き回されました。 私は昭和35年、小学校一年生の頃に三陸海岸を 襲ったチリ地震の津波で三歳だった妹と祖母を亡くしています。 その経験があったため、地震が来た瞬間、 海から400メートルしか離れていない病院の 三階にいた自分は助からないと半ば諦めました。 ところが最後のダダンッという大きな揺れによって、 私はお湯と共に廊下に放り出されたのです。 たまたま看護師さんが私を見つけてくれ、 必死にバスタオルを一枚体に巻きつけ、 二人で屋上めがけて走りました。窓から外の様子を見ると、 5メートルはあった防潮堤の上に、真っ黒い津波が押し寄せるのが見えました。 |
2020.03.07 |
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