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たとえお金がなくても誰かを幸せにできる (稲盛) 白隠禅師は『坐禅和讃』の中で、 坐禅をして悟りを開くことも大事だけれども、 お布施をしたり念仏を唱えたり懺悔をしたり、 日常生活の中でそういう諸善行に勤めることも 悟りに近づくもとなんだと説いていますね。 六波羅蜜という仏の教えがありますね。 布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧、 これを実践するだけでいいと私は思っているのです。 つまり布施は、人様のために一所懸命奉仕をすること。 持戒は、人間としてやってはならないこと、 人様が不愉快に思うことをしないこと。 忍辱は、人生における様々な困難を耐え忍ぶこと。 精進は、一所懸命働くこと。禅定は心を静かに保つこと。 そういうことを地道に続けていけば、 魂が磨かれ、心がきれいになり、 智慧という悟りの境地にまで達することができるということです。 いまお話しになった新しい平成の仏典を通じて、 せめてそういうことを 多くの人が理解するようになれば、と思います。 (五木) おっしゃる通りだと思います。 そういうものは道徳であって、 仏教というのはもっと高遠なものを 求めるんだと考えられがちですが、 僕はやっぱり教えと実践は 重なっていなければいけないと思いますね。 ブッダの生涯そのものがそうでした。 いまお話しになった布施の中には、 「無財の七施」(眼施、和顔施、言辞施、身施、 心施、床座施、房舎施の七つの施し)というのがあって、 僕は大好きなんですけれども、 眼施、つまり優しい眼差しで相手をじっと 見つめるということも一つの大きな布施ですから。 和顔施、通りすがりにニッコリ笑って、 相手の心を春風が吹いたような 気持ちにしてあげることだって大きな布施でしょう。 |
2021.09.18 |
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