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一つのことに全身全霊を以て打ち込む 7,000人の小児の命を救った 小児外科医の高橋幸宏さんと 円覚寺派管長の横田南嶺老子との対談。 【横田】 私は35歳の時に師家と言って 老師と呼ばれる立場になりました。 これは年を取っている人という意味ではなく、 指導者のことをいいまして、 臨済宗ではおよそ1,000何百ある禅問答を すべて透過することが、 老師に認められる第一条件なんです。 普通は50歳くらいでなる方が多いんですけど、 ただ私は13歳の時から修行していましたから、 そこから数えるとやはり20年間かかっているわけです。 【高橋】 13歳から修行を。 【横田】 はい。13歳で自分はこの道を行くんだと思い定めました。 そのために必要なものは何であるのか、 必要でないものは何であるのかということを考え、 漢文を学んだり、漢詩をつくったり、 書やお茶の稽古をしたり、禅問答に挑んだり、 全部自分で決めてやっていました。 それ以外のことはもうしないと。 学生時代、母親からせめて 車の免許くらい取ってくれと言われまして、 師匠に車の免許を取っていいですかと聞いたら、 「そんなものは必要ない」って言うんですよ。 どうしてですかと聞いたら、 「修行すれば車が迎えに来る」と(笑)。 【高橋】 いやぁ深い教えですね。 【横田】 自動車学校に行く暇もないくらいに いまは自分の修行に打ち込め、 それでないとものにならないぞという 師匠の思いだったのだろうと受け止めております。 人間の能力というのはある程度 限られていると思いますから、 若いうちにあまりいろいろなことに手を出すと、 結局分散してしまうように思うんです。 やっぱり一つのことに全身全霊を以て打ち込む。 これが重要ではないでしょうか。 |
2021.01.08 |
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