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歴史は人生の修羅場を疑似体験させてくれる 人生100年時代と言われるいまの心構え JFEホールディングスの社長を務められた數土(すど)文夫氏のお話。 (數土) 考えてみたら、私は長い会社生活の中で 随分と東洋古典に励まされてきました。 特に30代、40代の頃はひと月に1回くらい 「ああ、会社をクビになる。辞めないと駄目だ」 と寝言を言っていたと、 最近になって家内が私に話してくれました。 当時、私は中間管理職でした。 会社が間違った方向に行くことを心配して、 経営陣にいろいろな進言をしていたのですが、 時に逆鱗(げきりん)に触れることもありましてね。 退職を覚悟したことも1度や2度ではありません。 若い頃には、実験で失敗して 大切な研究費を無駄にしてしまうという苦い経験もあります。 しかし、歴史に目を通すと、 江戸時代、全国各地の村を復興した二宮金次郎も、 財政難に陥った米沢藩の改革を成し遂げた上杉鷹山も 皆、進退窮まった状態から道を開いてきた。 これは希望でしたね。 特にいまのような人生百年時代となると、 私の感覚では10年に1度くらいの割合で 進退窮まるような出来事が起きると思うんです。 そういう時、かつてのリーダーたちが どう苦難に立ち向かったのかを学んでおくことは 大きな力になるでしょうね。 歴史は人生の修羅場を疑似体験させてくれる。 これは私の強い実感でもあるんです。 |
2021.01.05 |
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