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古来聞き難きは道 「古来聞き難きは道 天下得難きは同志なり」 近江聖人といわれた中江藤樹の言葉です。 古来、道を聞くことは難しい、 その道を共に学ばんとする同志を得ることも難しい、 ということです。 徳は人間にとって、極めて大事なものです。 徳は事業の基なり――と『菜根譚』はいっています。 あらゆる事業は徳がなければ成り立たないということです。 徳とは身に得ることなり、という言葉もあります。 体得したものでなければ、その人の徳にはならない。 知識だけでは徳ではないということです。 昔、ある人が松下幸之助さんにインタビューしたそうです。 ――経営者にとって大事なことはなんでしょうか。 松下さんが答えます。 「それは運がよいことです」 ――運がよくなるにはどうすればよいでしょうか。 「それは徳を積むことです」 では、徳を積むにはどうしたらいいのでしょうかと聞きたいところですが、 残念ながら話はここまでです。 2つの言葉を紹介します。 1つ目は明恵上人(みょうえしょうにん)の言葉です。 「人は阿留辺幾夜宇和(あるべきようわ)と云(い)う七文字を持つべきなり」 言葉はこう続きます。 「僧は僧のあるべき様、 俗は俗のあるべき様なり。 及至(ないし)、帝王は帝王のあるべき様、 臣下は臣下のあるべき様なり。 此(こ)のあるべき様を背く故に、一切悪しきなり」 現代的にいえば、上司は上司の、部下は部下の、 父は父の、母は母の、人は皆、その立場にある者としての あるべきようを持つことが大事であり、 そのあるべきようから外れた時に 様々な悪が生じるのだ、ということです。 万古不易の真理です。 もう1つは、生涯を求道に生きた常岡一郎氏の言葉です。 「徳と毒はよくにている。 徳は毒のにごりを取ったものだ。 毒が薬ということばもあるではないか。 毒になることでも、そのにごりを取れば 徳になるのである」 徳と毒は1字の違い。 「と」が「ど」とにごりが入ると、徳が毒になる、というのです。 そして、氏はこう続けます。 「どんないやなことでも、 心のにごりを捨てて勇んで引き受ける心が徳の心だ。 いやなことでも、辛いとかいやとか思わないでやる、 喜んで勇みきって引き受ける、働きつとめぬく、 それが徳のできてゆく土台だ。 ばからしいとか、いやだなあというにごった心をすっかり取って、 感謝と歓喜で引きうけるなら辛いことほど徳になる」 |
2019.11.16 |
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