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“やまとごころ” を磨く生き方 今野華都子(アイテラス社長) 世界一のエステシャンとして知られる 今野華都子さん。 一主婦から、45歳の時にエステの道に飛び込み、 世界110か国の中で最優秀グランプリを受賞。 「美容とは、まず心を磨き高めること」 という信念のもと、 現在はエステ業の傍ら、 日本最古の歴史書『古事記』を用いた読書会を 全国で開催し、人気を博しています。 『新釈古事記伝』に何が書かれているのか、 例えば第一集の「袋背負いの心」では、 大国主命(おおくにぬしのみこと)と その兄弟である八十神(やそがみ)たちが、 遠い稲羽(いなば)の国にいる日本一の比賣神(ひめがみ)を お嫁にもらおうと旅をすることになります。 ただ、その際に八十神たちは、 大国主命に 「皆の旅行道具を大きな袋に入れて 背負ってきてくれないか」 と頼みごとをするんですね。 普通だったら、 何で自分がってなりますよね? でも大国主命は、 「分かりました。よろしゅうございます」 と嫌な顔一つせず引き受けて、 見事荷物を稲羽の国まで運び切るのです。 この部分を読んだ後、 私は読書会でこう質問するんですね。 あなたは荷物を持つ人ですか、 それとも持たない人ですか 決めてくださいって。 あるいは八十神のように 持たせる側ですか、と。 ただ、ここで大事なことは、 「持たない」と言った人を非難しないことです。 もしかしたら病気の人もいるかもしれない。 アメリカ人だったら、「一人で持つのは民主主義に反する」 と言うかもしれない(笑)。 この物語が教えてくれるのは、 多様な価値観を認めた上で、 自分はどう行動するだろうかということを 各自が考え、皆が和して一番幸せになれるあり方を 探っていくことの大切さなのですね。 そして物語は、「袋背負いの心」から 「赤猪抱き」の場面へと移っていくのですが、 結局、比賣神は皆の荷物を背負った 大国主命を結婚相手として選びます。 しかし、当初は結婚に納得していた八十神たちも、 次第に大国主命への嫉妬の心が膨らみ始め、 ついに殺してしまおうという計画が持ち上がります。 住民に危害を加えている赤猪を退治するのを 手伝ってほしいと、大国主命に持ち掛けるのです。 自分たちは山の上から猪を追うから、 大国主命は下で捕まえてくれと八十神たちは言います。 快く引き受けた大国主命は、 下で待ち構えるのですが、 そこへ落ちてきたのは赤猪ではなく、 何と真っ赤に焼けた大石。 しかし、「何かおかしい」と分かっていながらも、 大国主命は責任感からその大石を全身で受け止めます。 そして、一人焼け死んでしまう……。 兄弟同士の諍いから、大国主命が亡くなったことを知った 母親の刺国若比賣(さしくにわかひめ)は嘆き悲しみます。 それを見て憐れんだ神産巣日之神(かみむすびのかみ)が 大国主命を蘇らせてくれるのですが、 八十神の嫉妬は収まることなく、 今度は木の股に挟まれて大国主命は2度も殺されてしまうのです。 そして、また神産巣日之神が蘇らせることになるわけですが、 ここで刺国若比賣は、 「今度は殺されないようにしなさい」 と、大国主命を修行の旅に送り出すんですね。 これだけのお話ですが、 皆さんどう思います? 普通に考えて、悪いのは 嫉妬から罪を犯した八十神ですよね。 なぜ大国主命が殺されないための 修行をしないといけないのでしょう。 私たちはこの物語から 何を学び取るべきなのでしょう。 |
2014.09.20 |
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