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私はいただくばかりの生活 野草料理で一世を風靡した若杉ばあちゃんこと、若杉友子さん。 若杉さんが自然の中での生活を通して気づいたのは 現代人の食生活の問題点だけではありません。 生き方についても警鐘を鳴らされています。 (若杉) うちに来た人はみんな「懐かしい」と言う。 この家は築160年の古民家だから、ご覧なさい、 傾いて隙間ができている(笑)。 この人里離れた山に移り住んで14年になるけれど、 水は山からもらって、冷蔵庫もいらない。 もちろんクーラーも電子レンジもないよ。 風呂は五右衛門風呂、食事は最低限の米と塩と味噌、 あとはその辺に生えてくる 野草と在来種の野菜で暮らしているから ほとんどお金はかからんのよ。 こういう生活しているけれど 私は病気らしい病気をしたことがないの。 病気しないどころか、まだ73歳で健康診断も受けていないし、 血圧も測ってもらっていないの。 そんなばあちゃんの話が聞きたいと、 野草料理を教えてくれって全国から声が掛かります。 今朝もあざみを刈ってきましたけど、すぐまた伸びてくる。 食べても食べても切りがない。だからほとんど買い物はしない。 買う生活はゴミが出て、それを捨てなきゃならないから、 結局ゴミを買っているようなものよ。 経済活動のサイクルに入ると、金は減ってゴミが溜まるの。 この辺にも週に一度業者が食材を売りに来るけれど、 「そんなの食べてたら体悪くするよ」って、 私がつくったのを近所の方に持っていってあげると、 「野草料理を教えてくれ」って。 いまリストラだ、倒産だといって、 生活が苦しいと言っているでしょう。 それで借金して自殺したり鬱病になったりする人もある。 そんな必要ないんですよ。 難あって有り難し、 生き方のスイッチを変えるチャンスです。 生活を低くして、握り飯にたくあんと味噌汁、 時には山に野草を取りに行けば 食べるに十分困らない。 病気も治って元気になるんだから、いいことじゃないの。 お金で買う生活は、自然から遠く離れているから 体も心も狂って病んでゆく道すじです。 太陽の光にいくら払っていますか。 山から湧き出る水にいくら払っていますか。 私はいただくばかりの生活だから、 本当に毎日目が覚めたら感謝、感謝、感謝ですよ。 人間の一日も陰陽で、一日が一生です。 朝が来れば目が覚めて陽の世界で活動する。 夜が来たら眠りの陰の世界に入っていく。 再び目覚める保証なんてどこにもないのに、 朝また目が覚める。 そうすると、嬉しくて家の中でなんかじっとしていられない。 だからうちに電話をくれる人は 「いつも若杉さんのところはつながらない」と言うんだけど、 私はほとんど家にいないで、山の中で下草を刈ったり、 とにかく何かしら働いているよ。 やっぱりね、人間、体が本当に健康で、 心から感謝していたら、働かずにおれなくなるよ。 うちの裏山は私の手が入ってとてもきれいですよ。 山から薪と水をもらっているので当たり前ですよ。 いまの日本人はそれをすっかり忘れて、体は病気で苦しみ、 感謝と感動ができない心になっている。 私はおばあさんだから、 世に出て「日本人を変えてやる」なんて思わないけれど、 この山の中で自らの身を修め、 縁ある人たちに正しい日本人の知恵を継承して、 幸せに暮らしてほしいと思っています。 |
2022.03.11 |
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