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紙屑はその国の文化の象徴 教育活動に生涯を捧げ尽くし、「国民教育の師父」と謳われた森信三師。 (帆足) 先生の教えが私の心を捉えて放さなかったのは、 その内容の素晴らしさはもとより、 それら一つひとつがすべて実践に裏打ちされており、 ご自身の体にはまり込んでいたからだと思います。 いまでも忘れられないのは、 一日の講演が終わり、 中洲で夕食をご一緒した帰りに 近くの那珂川を散歩していた時のことでした。 辺りにたくさんの紙屑やゴミが 落ちているのをご覧になり、 先生はおもむろにそれらを 素手で拾い始められたのです。 私たち同伴の一行も しばらく先生に従い紙屑を拾いましたが、 一区切りついたところで森先生はこうおっしゃいました。 「紙屑は、その国の文化の象徴ですからね」 私には、紙屑はその街の文化の象徴と 言われたようで大変恥ずかしい思いがしました。 それを機に月に一度博多駅の早朝清掃を始め、 もう20年継続しています。 紙屑の教えは学校にもあてはまり、 乱れた学校は決まって規律が乱れ、 校内も汚れています。 私自身、生徒の半数が遅刻をする学校に 赴任したことがあります。 問題は生徒ばかりでなく、 先生方まで遅刻をするという深刻な状況でした。 私は指導めいたことは一切せず、 毎朝一番に登校すると、 森先生の教えに倣って まず校長室の掃除を励行しました。 そこから隣の事務室、 さらには保健室と日ごとに 掃除場所を拡大していくにつれ、 手伝ってくださる先生が現れ、 掃除の輪は全校に広がっていきました。 結局、1か月も経たないうちに 学校は規律を取り戻したのです。 森先生がお亡くなりになって 早20年(※記事掲載当時)以上が経ちます。 その後も私は様々な教育理論を学びましたが、 いまだに森先生の右に出るものには出会いません。 |
2022.03.11 |
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