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命の尊さ 茶道裏千家第15代・前家元の千玄室氏は、数えで100歳を迎えられました。 戦時中は特攻隊員として死を直視し、 戦後は亡き戦友たちの思いを胸に抱きながら、 茶道を通した世界平和の実現に力を尽くされました。 (先生は命の尊さについて、 どのようにお感じになっていますか。) 私はよく言うのです。 「いのち」の「い」は「生きる」こと、 「の」は「望み」であると。 人間は、生まれて育っていく過程の中で 「自分は何になりたいか」と、 進むべき方向を自分で決めるわけでしょう? 命を与えられた以上は生きるための望み、 目的を持たなくてはいけません。 いまは自分の望み、願望を語れない人が増えています。 そうかと思うと、望みが叶わないからといって 簡単に他人を傷つけたり、 他人に責任を転嫁したりする。 こういう卑怯者のようなことをやってはいけませんね。 自分の人生は最後まで自分で責任を取らなくてはいけませんし、 望みというものは、どういう状況に置かれたとしても 決して失ってはいけないのです。 最後の「ち」は「血」です。 人間は皆、親から血を受け継いでいまを生きています。 血は先祖から連綿と繋がっている。 だけど、そのありがたさを忘れてしまっているのです。 親に対してどうのこうのと言うのだけれども、 両親からいただいた血を大切に生かすことは人間の役目です。 そこに初めて「命の尊さ」があるわけです。 (噛み締めないといけない言葉ですね。) これは日本人だけでなく世界中の人々も皆一緒ですよ。 皮膚の色が違っても、言葉が違っても、 国が違っても人間は同じである。 その人間は誰もが大きな使命を担っている。 使命と言いましても、 最初から答えが与えられているものではありません。 いろいろなことを学びながら、 経験を重ねながら自分の役割は何か、 答えを出していく以外にないのです。 |
2022.03.03 |
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