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幾世代にわたる継続のなせる業 商号を変えることなく長い歴史を 重ねてきた老舗の存在感が高まっています。 企業の平均寿命が30年と言われるなか、 老舗はなぜ永続することができるのか。 (田中) 老舗には私たちが学ぶべき点が多くありますが、 参考にすべき例を紹介してみたいと思います。 岡山県真庭市にある古見屋羊羹は、251年続く和菓子店です。 決して派手さはなく、 質素で地味なイメージの店なのですが、 ここには創業から今日まで一日も休まずに 続けられている店主の日課があります。 それが餡(あん)作りです。井戸水を汲み、 北海道の農家から特別に仕入れた 小豆を煮ながら秘伝の餡を作るのです。 仕込みの際に熱湯が飛び散ってくるので 店主の顔や手には火傷が絶えることがありません。 それでも、餡は古見屋羊羹の命そのものという高い意識のもと、 江戸時代から九代にわたって 日々の餡作りの伝統を受け継いでいることは 極めて稀有(けう)であり、そこに深い感動すら覚えます。 この羊羹が岡山県を代表する銘菓となり、 明治天皇・昭和天皇への献上、 有力百貨店の人気商品として大きな注目を集めるのも、 幾世代にわたる継続のなせる業だと思います。 |
2020.01.21 |
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