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上司から提案された時になんと言うか? 藤崎 斉(東京ステーションホテル総支配人) 現在私は、東京ステーションホテルの総支配人として 約百八十名のスタッフの教育に力を注いでいるが、 彼らにいつも言っていることが二つある。 「やってみなはれ」 これはサントリーの創業者・鳥井信治郎さんの遺した名言である。 入社から数年が経ち、ある程度成果を出せるようになると、 自分の成功体験にしがみつき、 挑戦することを躊躇してしまう人が多い。 「こうしたらもっとよくなるんじゃないか」 と上司から提案された時になんと言うか。 それが人生の明暗を分けると私は考えている。 「面白そうだからやってみたい」 こう思う人は勝者である。一方、敗者は、 「面倒くさい」 「言われていないからやらない」 「どうせやっても上手くいかない」 などと口を揃える。 しかし、何事もやってみなければ分からない。 挑戦して初めてスタートラインに立てるのだ。 これは私の実感である。 そして、もう一つは、 「失敗するなら早く失敗しろ」 ということだ。 どんなに自信があったとしても 百%成功する確証はどこにもない。 それならば早く失敗して、次の作戦を立てるべきだろう。 なぜ失敗したのか。何が足りなかったのか。 そのサイクルを高速回転させていくことで、 仕事力の向上も人間的成長も成し遂げられる。 そうした繰り返しの先に、 仕事の楽しみや組織の発展があるのだと確信している。 二十代は悩んでいる暇などない。 失敗してもいいからとにかく挑戦あるのみ。 それに尽きるのではないだろうか。 |
2013.05.30 |
プロ宣言をした真意 竹内洋岳(プロ登山家) 二〇〇六年、私はプロ宣言をしました。 記者会見を開き、八千メートル峰十四座を すべて登り切ることを宣言したのです。 発表前に思ったことは、その発表をする自分は いったい何者かということでした。 それまでの私は、一人の登山愛好家として ただ自分の登りたい山に登り続けてきました。 しかしそういう宣言をする以上は、 単なる愛好家では済まなくなりました。 十四座完登というのは、それまで数多くの 先輩登山家たちが命懸けで挑戦してきた目標でした。 実際、山田昇さん、名塚秀二さんをはじめとする先輩登山家たちが、 九座まで登頂を果たした後、命を落とされています。 その志を継いで登るからには、いつか登れると思いますとか、 やはり無理でしたというわけにはどうしてもいかない。 やると宣言して、最後は這ってでも 登らなければならないと私は考えたのです。 記者会見に向け、そうした思いを綴っていた時、 「登山家」という肩書に私は違和感を覚えました。 世の中には評論家、芸術家など、 「家」のつく職業がたくさんあります。 その共通点をあらためて考えて気づいたことは、 「家」のつく職業の多くは資格が要らず、 自分で名乗るだけでなれるということでした。 それは逆に、いつでも勝手に辞められるということでもあります。 それは自分の思いとは全く釣り合いませんでした。 私は十四座必ず登り切るということ、 山の世界で生きていくという覚悟を込めて、 「プロ登山家」と名乗ることにしたのです。 プロとはいったい何か。 いろいろな考え方があると思います。 私が考えるプロとは、覚悟があるか否かだと思います。 プロ宣言は私にとって、 十四座を最後まで辞めずに登り切ってみせるという 覚悟を定めるために必要でした。 辞めないでやり通す覚悟があるのがプロ。 やると宣言し、それを確実にやり抜いてこそプロだと思うのです。 登山というのは他のスポーツと異なり、 ルールもなく審判もいません。 世間から隔絶した場所で行われることを幸いに、 自分に都合のいいことばかり公開してしまいがちな面もあります。 しかし、これが仮に格闘技の試合であれば、 勝つ試合ばかりでなく、自分がボコボコに負かされる試合も 観客に見せなければなりません。 同様に登山も、結果だけでなくその過程も見せる必要があります。 自分の都合の悪いことも包み隠さず公開することは、 登山をスポーツとして認めてもらうためには必要なことだと思うのです。 ゆえに私は、ダウラギリの登山では、 GPSを使用して自分の居場所をリアルタイムで インターネット上に公開しました。 これは単純に頂上に行って帰ってくる過程を見せるだけでなく、 万一途中で命を落とせば、その様子も伝わります。 そこまで見せる覚悟があるのがプロであり、 今後登山がスポーツとして発展していくかどうかの 分かれ道になると私は考えるのです。 |
2013.05.29 |
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