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一語履歴WORD vol.609a

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道...
いまに見ていろ

日本を代表する経営学者であり一橋大学名誉教授・野中郁次郎氏の若い頃のお話。

(野中)
思えば、私をきょうまで突き動かしてきたのも、
この「いまに見ていろ!」という思いでした。

私は小学校3年生の時、戦禍を逃れて
家族と共に静岡県の本吉原村(現・富士市)へ疎開しました。
3月10日の東京大空襲の日は、
東の空が真っ赤に染まるのが、元吉原からも見えました。
私たちの実家もその大空襲によって消失したのです。

終戦間近になると、都心から離れた疎開先も
アメリカの空爆を頻繁に受けるようになり、
私も学校帰りに命の危険に晒された経験があります。
轟音と共に近づいてくるグラマン戦闘機。
松の木の陰に隠れて注視していた私は、
直感的に危機を察知して傍の畑に飛び移りました。
刹那、銃弾を受けた木が炎に包まれ根本から倒れたのです。
一瞬目の合った操縦席のパイロットは、
私を嘲笑っているように見えました。
「いまに見ていろ!」
アメリカへのリベンジを心に固く誓ったのは、その時でした。

元東京都知事の石原慎太郎さん、
作家の曽野綾子さん、前川製作所元社長の前川正雄さん等々、
同世代の方々の中には
私と同じような体験をした方が多数いました。
「いまに見ていろ!」という思いを共有して
各々の舞台で懸命に努力を重ねた結果、日本は奇跡の復興を果たし、
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と
世界から称賛されるほどの繁栄を築くことができたのです。

戦争という大きな苦難を経験していないいまの日本人は
非常に素直ではあるものの、こうした気概に乏しく、
国全体としてのエネルギーが弱まっていることを私は危惧しています。
かつての私も、パーパス、即ち明確な目的意識に乏しい若者でした。
しかし、会社(富士電機)に入り、
現場・現物・現実の中で格闘することで、
心の内に眠っていた「いまに見ていろ!」という反骨心を
呼び覚ますことができました。
私に成功体験を積ませようと様々な課題を与えてくれる上司に、
何とか応えようと懸命に努力を重ねる中で、
人生に明確な目的意識を持てるようになったと思うのです。

このことから実感するのは、パーパスというのは
自分一人で見出すばかりではなく、
他者との関係性の中で生まれてくるものでもあるということです。
私の専門である経営学でいう戦略の本質は、
ヒューマナイジング・ストラテジーです。
絶えず変化する現実の中で、他者と共感し合い、
本気で知的格闘しながら、
なすべきことを共にやり抜いていく。

人と人との共感をベースに新たな物語を紡ぎ、
実践していくことこそが戦略の本質だと私は考えます。

2021.10.17

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