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心を高める 経営を伸ばす 京セラ創業をはじめ経済界に数々の偉業を残す稲盛和夫さん。 その経営哲学に共感する人は経営者に限らず、 ビジネスマンや研究者、スポーツ選手など各界に多くいます。 〈稲盛〉 私はこの2年余り、国からの要請でJAL(日本航空)という 大きな企業の再建の仕事をしてきましたが、 そこで改めて心の大切さを感じました。 〈白鵬〉 ニュースで見たことがあります。 とても大変な再建だったそうですね。 〈稲盛〉 就任前は多くの方から 「あんな巨大な組織の立て直しは絶対に無理だ」 「晩節を汚すことになる」と言われました。 しかし、結果として2年で2,000億円を超す利益を出し、 3年目の今期は1,500億円の目標を立てています。 もちろん最初から勝算があったわけではありません。 私はかねてから盛和塾で話をしているとおり、 利他の心、世のため人のために尽くすことが 人間として大切だと思っていますから、 倒産したJALを救うことは 3万2,000人の従業員の職を確保することだと。 同時に日本経済にとっても大事なことだと思ったので、 不可能かもしれないが必死に頑張ってみようと思い、 迷った末に引き受けました。 もしこの世に神様がいるとすれば、 その必死さをかわいそうに思って 手伝ってくださったんじゃないかと思います。 自分でも驚くほどうまくいきました。 こんなに早く回復するとは思っていなかったのです。 〈白鵬〉 どうやって短期間に大きな会社を変えたのですか? 〈稲盛〉 従業員の皆さんに一所懸命話をしました。 「私はたまたまお世話にきたけれども、 皆さんが目覚めて立ち上がり、 自分たちで会社を立て直そうとしなければ誰もできませんよ」 と、再建の主役は自分自身であるという、 いわば当事者意識を持つことの大切さを説きました。 そのように社員、幹部の意識改革に努めたところ、 その意識が変わり、同時に業績も向上していったのです。 だから、会社というのは全社員の心を どうやって一つにして経営するかに尽きます。 〈白鵬〉 経営も心ですか。 〈稲盛〉 心ですね。確かに、経営のテクニックというものもあるんです。 でも、横綱が 「心が八割、技や体は二割」とおっしゃったように、 二割程度のことで、心が変われば会社はガラッと変わります。 「心技体」という言葉はスポーツではよく使われますが、 経営ではめったに出てこないんですね。 そういうことを言うと精神論のように受け取られますが、 やはり経営も「心技体」が揃わなければうまくいかない。 盛和塾は始まって以来ずっと、 「心を高める 経営を伸ばす」 を一貫したテーマに掲げてきました。 自慢のように受け取られるかもしれませんが、 今回のJALの再生を通して、 これまで掲げてきたことは間違いではなかったと。 絶対に不可能だと思えることでも、 心を変えれば可能になることを証明できたと思っています。 |
2021.07.20 |
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