過去の一語履歴を見ることが出来ます。
大谷翔平と菊池雄星に教えた目標設定術 佐々木洋((花巻東高等学校硬式野球部監督) 岩手の田舎に育ちましたから、遊びも野球くらいしかなくて、 周りに導かれるように自然に野球を始めました。 甲子園に出場してプロか社会人で活躍したいと思っていましたが、 結局選手として花を咲かせることはできなくて、 大学の時に戦力外で2年生の時に寮を出されました。 初めての一人暮らしに最初は心を躍らせていたんですが、 家具を揃え、テレビのスイッチを入れた途端、急に虚しくなったんです。 悩んだ挙げ句に、それまで活字を見るのも 嫌だったんですが、答えを求めて初めて本屋に行きましてね。 そこで目に留まったのが ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』 という本でした。 そんなわけないだろうと思いながら 手に取ったんですが、ページをめくるうちに、 自分はそれまで大切なことを教わっていなかったことを痛感したんです。 それまで「夢を持て」「目標を持て」と散々言われてきたんですが、 ではどうやって夢や目標を立てたらよいのかと いうことについては、何も教わっていなかったんです。 類書を片っ端から読んだら書かれていることは同じで、 数値で具体的に表すこと、期限を決めること、 ワクワクする内容であること、 紙に書き出すことなどが大事だと分かってきました。 それで、野球選手としてはダメだったけれども 指導者として成功したいと思って、 「28歳で最年少監督として甲子園に出る」 と書いたんです。 そうしたらいろんな巡り合わせのなかで 花巻東の監督に就任することができて、 本当に28歳で甲子園に出場することができたんです。 ですから生徒にも、夢は目標にセットし、 詳細に計画を立て、具体的に行動していけば、必ず夢に近づくんだと。 大谷翔平が入部してきた時は、 「先輩の雄星さんみたいになりたい」と言っていました。 私は、夢というのは掲げたところより 少し下で実現するような感覚があるので、 「それでは雄星以下になってしまう。 雄星を越えると言え」 と指導しました。 当時、雄星の投げる球は 155キロくらい出ていましたから、 絶対に160キロ出せると暗示をかけましてね。 ただ、実際に目標を書く時に、 160キロと書いたら158キロになってしまうと心配していたのですが、 大谷はもう目標の立て方を心得てくれていて、163キロと書いてありました。 菊池も大谷も、入部してきた時から間違いなくプロに行ける選手でした。 そんな逸材が名もない私の所へ来てくれたわけですから、 私も生半可な指導をするわけにはいきません。 自分自身にプレッシャーをかけるために、 ドラフト1位で送り出せなければ監督を辞めると宣言したんです。 それを確実にするために、その上のメジャーへ送り出すという 目標を掲げて二人と共有していました。 不思議なことに、その夢もどんどん近づいて、 いまでは二人とも海を渡っています。 彼らはたまたま海を渡ったのではなくて、 高校の時に自ら思い描き、自らの脚で海を渡ったと思うんです。 |
2024.11.09 |
〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日