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幸せになれる社会の実現 鈴木秀子(文学博士) マザー・テレサが1984年に来日されてすぐに 私が教えている東京の聖心女子大学の講堂で 講演されたことがありました。 私はこの時のマザーの挨拶が いまでも強く心に残っています。 「日本では路上で行き倒れて死んでいく人、 膿にまみれてハエにたかられている人はいません。 しかし、日本を歩きながら大変なショックを受けました。 街はきれいだし、とても賑わっているのに、 その街を歩く人たちの顔に笑顔がないのです。 皆さんの悲しそうな表情が心に焼きつけられました。 インドの貧しい人たちは 体は病んで苦しんでいますが、 日本人は心の中にぽっかり穴が あいているのではないでしょうか。 貧しい人たちの体をケアする必要があるように、 寂しい思いをしている日本の人たちには、 ちょっとした言葉をかけてあげてください、 温かい笑顔を見せてあげてください。 それは私がインドで貧しい人々に しているのと同じことなのです」 話を聞きながら、 マザーの日本に対する思いの深さや 愛に満ちた生き方、信仰を貫く姿勢に 改めて心打たれたものでした。 カルカッタに「死を待つ人々の家」を 開設し約半世紀にわたって貧しい人たちの救済に その一生を捧げたマザーも、 最初からぶれない芯の強さがあったわけではありません。 貧民街で救済活動を始めた頃は、 「餓えている人たちはインド中にごまんといるのに、 そんなことをしても焼け石に 水ではないですか」という批判が相次ぎ、 さすがのマザーも挫けそうになった時があったと聞いています。 しかし、そういう厳しい環境に身を置き、 日々献身的な活動を続ける中で、 「これが幸せになれる社会を実現すること。」 と深く思うようになったのです。 |
2024.11.13 |
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