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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.390a

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一語履歴 vol.390
言い訳を最小限にするため 390a立派な人間になれ
一語履歴 vol.389
自分の息子が発表する姿を見て 389a一日は一生の縮図
一語履歴 vol.388
心・技・体 388a自分との約束だけは守る
一語履歴 vol.387
『渡部昇一の少年日本史』 卑弥呼
一語履歴 vol.386
運が人を選ぶ
一語履歴 vol.385
天の一角からチャンスが下りてくる
一語履歴 vol.384
読書尚友(どくしょしょうゆう)
一語履歴 vol.383
教えるよりも感じさせる
一語履歴 vol.382
一大事とは今日唯今のことなり
一語履歴 vol.381
知らないうちに
立派な人間になれ

ガッツ石松さんを支えた母の言葉

俺だって本当は高校に行きたかったけど、
そんな余裕がある家庭じゃないからね。

じゃあ、何も持たない自分が
這い上がるにはどうすればいいか。
体一つで戦えるボクシングしかないと思った。

とりあえず近所の人の紹介で
東京の会社に就職しました。

入社してすぐ、会社のみんなで
元フライ&バンダム級で世界チャンピオンの
ファイティング原田さんの試合中継を見ていた。

その時、俺は社長さんに
「俺もボクサーになりたいから、
ボクシングジムに通わせてください」
と申し出た。すると社長さんは、

「おまえみたいな人間が、
 あんな偉い人間になれるわけがない」
と言ったね。

まだ十五だよ。ショックだったね。
ああ、東京も田舎も一緒だ。
俺みたいなやつにチャンスはないんだ、
と思って、すぐに会社を辞めて田舎に戻った。

村の人たちに見つかると
「あそこの息子、もう仕事をやめて帰ってきた」
と噂されるから、真夜中にひっそりと帰って、
昼間、誰にも見られないようにふるさとを歩いたんだ。

山、川、田んぼ、畑……。
ふるさとの自然に抱かれているうち、

「よし、俺はやっぱり東京へ行く」

という思いが湧いてきた。

もう一回上京する日、おふくろは
いつも通り朝早くに土方仕事へ出て行った。

帰ってきた数日間も、忙しくて
ろくに話もできなかったから、
駅に向かう途中に仕事場に立ち寄ってみたんだね。

「もう一回東京へ行ってくるぞ」

と言うと、おふくろは泥だらけの手で
前掛けのポケットをゴソゴソやって、
一枚の千円札をくれたんだ。

俺がいつも悪さばかりしていたから、

「サツ(札)はサツでも、
 警察のサツは使えねえぞ」
と言ってね。
そして、ハラハラと涙をこぼしたかと思うと、

「偉い人間になんかならなくていい。
 立派な人間になれ」

と言った。うちのおふくろさんは学歴はないけど、
やっぱり苦労を重ねて生きてきた人だから
言葉に力があったよね。

すっと心に沁みて、それはいまも忘れない。

結局、その時もらった泥のついた千円札は
ずっと使えなくて、いまでも大切に持っていますよ。

2019.09.05

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