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ガッツ石松さんを支えた母の言葉 俺だって本当は高校に行きたかったけど、 そんな余裕がある家庭じゃないからね。 じゃあ、何も持たない自分が 這い上がるにはどうすればいいか。 体一つで戦えるボクシングしかないと思った。 とりあえず近所の人の紹介で 東京の会社に就職しました。 入社してすぐ、会社のみんなで 元フライ&バンダム級で世界チャンピオンの ファイティング原田さんの試合中継を見ていた。 その時、俺は社長さんに 「俺もボクサーになりたいから、 ボクシングジムに通わせてください」 と申し出た。すると社長さんは、 「おまえみたいな人間が、 あんな偉い人間になれるわけがない」 と言ったね。 まだ十五だよ。ショックだったね。 ああ、東京も田舎も一緒だ。 俺みたいなやつにチャンスはないんだ、 と思って、すぐに会社を辞めて田舎に戻った。 村の人たちに見つかると 「あそこの息子、もう仕事をやめて帰ってきた」 と噂されるから、真夜中にひっそりと帰って、 昼間、誰にも見られないようにふるさとを歩いたんだ。 山、川、田んぼ、畑……。 ふるさとの自然に抱かれているうち、 「よし、俺はやっぱり東京へ行く」 という思いが湧いてきた。 もう一回上京する日、おふくろは いつも通り朝早くに土方仕事へ出て行った。 帰ってきた数日間も、忙しくて ろくに話もできなかったから、 駅に向かう途中に仕事場に立ち寄ってみたんだね。 「もう一回東京へ行ってくるぞ」 と言うと、おふくろは泥だらけの手で 前掛けのポケットをゴソゴソやって、 一枚の千円札をくれたんだ。 俺がいつも悪さばかりしていたから、 「サツ(札)はサツでも、 警察のサツは使えねえぞ」 と言ってね。 そして、ハラハラと涙をこぼしたかと思うと、 「偉い人間になんかならなくていい。 立派な人間になれ」 と言った。うちのおふくろさんは学歴はないけど、 やっぱり苦労を重ねて生きてきた人だから 言葉に力があったよね。 すっと心に沁みて、それはいまも忘れない。 結局、その時もらった泥のついた千円札は ずっと使えなくて、いまでも大切に持っていますよ。 |
2019/09/05 |
今年3月、45歳で現役を引退したイチロー。 数々の金字塔を打ち立ててきたスーパースターの行動。 (山本) イチローさんを語る上で、 外せないのが「準備」に関する話だ。 私は年に一度マリナーズのホームグラウンドまで 足を運んで彼の姿を見に行っていた。 最初は彼の守備位置であるライトが よく見える一塁側の観客席に座っていたのだが、 ある時、ベンチの中で何をしているのかが気になり、 三塁側の観客席から双眼鏡で覗いてみた。 すると、味方の攻撃中ほとんどベンチにいないのである。 守備を終えてベンチに戻ると、 すぐロッカールームに降りていってしまう。 次のイニングに備えてストレッチでもしているのかと想像していたものの、 本人に確認すると実際はそうではなかった。 ロッカールームにアンダーウェアを十数枚置いてあり、 毎イニング着替えているというのだ。 「他の選手はやるんですか」 「いや、僕だけだと思います」 「どうしてやっているんですか」 「汗が冷えて次のイニングに体調が変わるといけないので、 用心のために着替えています」 スポーツに留まらず、どの世界でも準備の大切さを語る人は多い。 しかし、ここまでやるかというくらいに準備に準備を重ね、 怠らず徹底している人はいないだろう。 なぜ準備をするのか。彼の言葉が忘れられない。 「言い訳を最小限にするため」 |
2019/09/03 |
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