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町のショップと量販店・製品に口を出せ 佐久間曻二(WOWOW相談役) 松下幸之助氏の薫陶を受けた私は、 営業本部長になった時、二つの迷いがありました。 一つは 町のショップ店と大きな量販店の関係です。 大学の先生は、量販店は新幹線で、系列店はローカル線と位置づけ、 これからは新幹線の時代だと言うんです。 量販店の力がだんだん強くなってきて、 系列のショップ店が非常に迷っていた時代なんですね。 それで、松下は系列店をどうやって強化するかということを 悩んでいた時に呼ばれましてね、 「君、一億円の仕入れをしてくれる量販店と、 百万円仕入れてくれるショップ店が 百あったら、どっちがええ?」 とおっしゃるんです。幸之助さんが言うには、 「量販店は一軒で一億売ってくれても、 もしトラブルが起きたらゼロになる。 ショップ店はたとえ百万でも、 一度に百軒なくなるということはないわな。 これから量販店は増えていくかもしれないけども、 この百軒の百万売る店というものを 大事にしていくことは、君にとって大事な仕事やで」 と、非常にシンプルな言い方で説いていただきまして、 自分の進むべき道が明確になりました。 それを否定するような雑音が多かった時だけに、 幸之助さんの言葉で迷いがなくなりましたね。 もう一つは、 営業本部長としてもっと製品づくりにものを言って、 製品づくりに反映させたいと考えていたんですが、 担当役員の方からものすごく怒られたんです。 よけいなことを言うなと。 困り果てて幸之助さんのところに行ったら、 「君、それは大事なことやで。 営業の車の両輪は、一つは製品、 もう一つはお客様、お得意様や。 車の両輪を強くするためにも、 営業は思い切って製品に口を出せ」 と言ってくださったので百人力でした。 そういうふうに、幸之助さんは絶えず勇気づけてくださいました。 決してやめとけとはおっしゃらずに、 「いいぞ、頑張れよ」と絶えず励ましていただいた。 幸之助さんは、人を育てることは 簡単にはできへんとおっしゃっています。 本で勉強しても、人から聞いても本当には身につかない。 だから実験させることや、実際に何かやらせてみることや、それが事業部制やと。 |
2024.11.30 |
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