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創業675年を誇る老舗の流儀 川島英子(塩瀬総本家 第34代当主) 日本の饅頭の元祖として創業から675年の歴史を紡ぐ塩瀬総本家。 時代の風雪に耐え、代々の当主たちが暖簾を大切に守り続けてきました。 その起源は貞和5(1349)年、中国から来日した林浄因が奈良で 饅頭をつくったことに遡ります。 寺院に集う上流階級の人たちの心を射止め、 やがて宮中に献上され、歴代将軍の催事に重用されるようになりました。 「材料を落とすな。割り守れ」の教えの通り、 昔から配合やつくり方は一切変えていないといいます。 普通の饅頭は小麦粉に膨らし粉を入れて皮をつくりますが、 塩瀬は小麦粉も膨らし粉も使いません。 職人が毎日一つずつ大和芋の皮を剥いてすり潰し、 お米の粉とお砂糖を混ぜた木鉢にそれを入れ、 丹精込めて練り上げていく。 固すぎず柔らかすぎず、ちょうどいいところでこね終える。 その日の気温や湿度、お芋の個体差によっても 微妙に変わってきます。 だから、日が経ってもパサつかない。 しっとりしておいしい独特の饅頭に仕上がるのです。 一方、百貨店への出店をはじめ、売り方やデザインといった部分は 時代に合わせて変化させていく。 暖簾を守り続けるには伝統を踏襲するだけではなく、 日々創業の心意気で時代の流れを読んで 絶えず新しいことに挑戦し、革新している。 |
2024.11.14 |
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