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なぜこの演劇をするのか 廃部寸前だった鹿児島県屋久島高校演劇部を、 赴任僅か3年目にして全国大会優秀賞(2位)に導いた顧問の上田美和先生。 (実際には、廃部寸前だったところから、 どのように作品をつくり上げてこられたのですか?) (上田) 私が屋久島高校に赴任した2016年は、演劇部員が 高校2年生の女子生徒1人しかいなかったため、 部員を集めるところからスタートしました。 以前から屋久島に赴任となったからには、 屋久島に関する物語を演劇にしようと決めていました。 そのため1年目から屋久島にまつわる創作劇をつくり、 何とか3~4名の部員を集めて地区大会を突破して県大会に進出、 2年目は九州大会で3位という結果を残すことができました。 そして、迎えた3年目。 さらに屋久島への思いのこもった作品にしようと歴史を調べる中で、 (屋久杉の保護運動に尽力された)大山勇作先生の活動に辿り着いたのです。 ところが、島民のほとんどがこの事実を忘れ、 高校生にいたっては誰一人として知りませんでした。 そこで、「演劇によってこのドラマに再び光を当てたい」 という強い思いが湧き上がってきたのです。 (ああ、強烈な使命感から。) (上田) この台本は何かに取り憑かれたかのように あっという間に出来上がりました。 最後の微調整まで終えたのが1か月でしたから、 台本を書き上げたのは2週間ほど。 生徒たちは初めてこの台本を読んだ時、 あまりピンときていませんでした。 社会問題を扱っている上に昭和の話ですから、 中身が少し大人びているんですね。 まして、部員の中にはアニメや漫画が好きで、 コスプレまがいの演技や声優のような 声色の変化を楽しんでいる子もいる中で、 「声色を使うな」「昭和の登山服を着ろ」 「老婆の真似をしろ」と言うわけですから、 「やりたいことと違う」と、初めは葛藤があったと思います。 (そのような中、どのように指導されていきましたか?) (上田) やはりモチベーションが大切です。 「なぜこの演劇をするのか」という動機づけがしっかり行われないと 生徒たちは使命感を持ちません。 そのため森林伐採の歴史や人々の奮闘を伝え、 舞台化する意義を繰り返し繰り返し共有し、 目線合わせをしていきました。 もちろんスキルやノウハウも教えますが、 観る人の心を打つのは子供たちの目の輝きや セリフの言い方なのだと思います。 ですから、生徒たちがどれほど本気でこの作品に向かっていくか、 内面からほとばしる思いがあるか。 その思いの部分を大切にしていきました。 |
2021.05.20 |
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