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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.504a

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一語履歴 vol.505
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一語履歴 vol.504
何が人生の成否を分けるのか 504a見えなかったものが見えるようになる
一語履歴 vol.503
自分の意見として 503a心のコップが上向く 503b一つのことを黙々と
一語履歴 vol.502
掃除は子供たちを変え社会を変える 502a一歩一歩歩けば
一語履歴 vol.501
パイロットの卵たちを感激させた 501aトップが毎日、自分の思いを
見えなかったものが見えるようになる

夜間中学で30年以上教鞭を執り、
その活動が映画にもなった松崎運之助さん。

初めて出逢った生徒さんのことは忘れられません。

年配の女性でしたが、鉛筆をしっかり握り締め
あらん限りの力を込めて
「の」の字の練習をしていました。

そして突然目を輝かせながら言うのです。

「先生、分かったよ! “の”という字は
 おたまじゃくしの宙返りなんだ」

これにはショックを受けました。

というのも私はそんなふうに
“の”という字を見たことも、
考えたこともなかったのですから。

その方は習った字をマジックで掌に書いて、
握り締めて嬉しそうに帰られました。

そして翌日

「昨日習った字が帰り道、あっちの看板、
 こっちのポスターから飛び出してきた。
 それが本当に嬉しい」

と感動を伝えてくださいました。

昨日まで見えなかったものが見えるようになり、
心が豊かになる。それが勉強というものなのです。

ところが、その年配の女性は
パタッと学校に来なくなりました。

心配して担当の先生に伺ったところ、
幼い頃から鉛を扱う現場で働いていたため、
鉛中毒で体がボロボロだったというのです。

「学校に行かなければ死んでも死にきれない」

という本人の切なる希望によって、
家族の制止を振り切り夜間中学に通っていたそうです。

それを聞いて目の前が真っ暗になりました。

僕はその方の目を見て、安易に
「キラキラしていて素敵だ」と感じたけれど、
その光は女性が自分の命を削って輝かせていたものだった。

表面の綺麗なところだけを見ていた
薄っぺらい自分があまりに情けなくなり、
教育実習の辞退を申し出ました。

そんな私を励ますために、
指導の先生はその女性が休む前に書いた
作文を見せてくださいました。

「松崎先生、私たちの気持ちが分かる先生。
 本当の先生になってくれるといいな」

それを読んで泣きに泣きました。

その時の思いを日誌に記したところ、
指導の先生が肉太の迫力のある字で、

「感動を失うな。感動できる自分を失うな」
とコメントしてくださったのです。

夜間中学の教員として働く覚悟が定まった瞬間でした。

2020.10.13

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