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一語履歴WORD vol.909

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一語履歴 vol.910
昭和天皇の最後の「料理番」          ~谷部金次郎
一語履歴 vol.909
岡本太郎(忘れ得ぬ人・忘れ得ぬ言葉)      ~五木寛之
一語履歴 vol.908
気づく力 人生は変わる 環境の影響 人間として意義のある事 今日という日
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患者さんのための医療 社会を支える人 現場判断 良き人間 二文字の違い
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遠くをはかる者 自分の最善を尽くしなさい やるかやらないか 終戦 清虔
一語履歴 vol.905
繁盛は信頼関係... 自分の仕事を... 鬼の口 摩すれども磷がず 政の宝
一語履歴 vol.904
経営者とは ずっといい 人の心に... 生活すべてに... リーダーに必要なもの
一語履歴 vo.l903
器量がどんどん... 価値を生かす 努力は報われる 枠は大きくなる 絶対差
一語履歴 vol.902
身を潤す 事業の基 スズキの経営 良き人生 三百年続く会社
一語履歴 vol.901
いい生活様式 人づくり 行き詰まらない 逆境はときには恩師 徳とは財とは

岡本太郎(忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉)
          五木寛之

岡本太郎さんについては、毀誉褒貶、さまざまな見方がある。
天才という人もいるし、イカサマ師のように罵倒する人もいる。

しかし、そのこと自体が岡本太郎という表現者の本質ではないかと私は思っている。
棺を覆ってなお評価が定まらない。
そのダイナミックな存在のしかたこそ、岡本太郎という人の真骨頂なのだ。

むかし渋谷にジァンジァンという小さなホールがあった。
百人もはいれば満席というホールである。
しかし、そこはかつての熱い季節をになう舞台でもあった。

一夜、岡本太郎さんをゲストに迎えて、ステージでディスカッションをやった。
私がキュビスムの時代のピカソより、初期の作品のほうが好きだ、
と言ったとたん、岡本太郎さんは私を指さして大声を発した。

「だからキミは駄目なんだ!」と。

芸術は心地よいものであってはいけない、と岡本さんは主張していた。
「芸術は爆発だ!」というのは、有名なフレーズである。

岡本さんの著作集が刊行されたとき、
私にその一巻の解説を書くようにと依頼があった。

折悪しく私は外にいくつもの仕事を抱えていて、
とてもそれに応じる余裕がなかった。

後日、岡本さんに出くわしたときに、
岡本さんは私を指さして大声で言った。

「キミはぼくの解説を書くことを断った。
それはキミにとって生涯の恥辱になるんだぞ」

岡本さんは本気で腹を立てていたように見えた。

「キミは偉大な仕事をするチャンスを、みずから放棄したのだ」

その非難のしかたには、一点の迷いもなかった。
岡本さんは本気でそう感じていたのだ。

岡本太郎という画家は、その本人の存在自体が
一つの作品であったように感じられる。
描き手と作品とが一体となって社会に対決している気配なのだ。

2025.08.27

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