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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.656


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人の痛みを知る人間になれ ――恩師の教え
               村田諒太(WBA世界ミドル級スーパー王者)

中学三年の夏休みに、通っていたジムで
僕を指導してくれていた元日本チャンピオンの
桑田弘さんから、

「高校でボクシングやる気があるんだったら、
 南京都に行け」

と言われ、桑田さんに連れられて
強豪の南京都高校(現・京都廣学館高校)
ボクシング部の練習に参加しました。

その時初めて武元前川先生にお会いしたんですけど、

「試験で零点取らなかったら入れてあげるよ」

と言ってくれたんです。

授業にはほとんど出ていなかったので
不安はありましたが、
その武元先生の顔を見て、子供ながらに、

「あっ、この人だ」
「ここに行きたい」

と。もう直感です。

武元先生から学んだことはたくさんあるんですけど、
選手の持っている可能性を否定しなかったですね。

新入生向けの部活紹介で、
僕らボクシング部は希望者を舞台に上がらせて
即興で対決させる余興を恒例にしていました。

高校三年の時、僕が一発殴っただけで
相手を病院送りにさせてしまったことがあるんです。

その時、普通だと「何やってんだ、この野郎」って
鉄拳制裁が飛んでくるでしょう。

僕も殴られるなと思っていたら、武元先生は

「おまえの拳は人と違う。腰も回るし、
 体重も乗る。そんなことに使うんじゃない」

と窘(たしな)めてくれました。

おまえの拳には可能性があるんだから、
上を目指すために使えという意味だったと受け止めています。

「謙虚であれ」というのが
武元先生の一貫した教えだったと思いますね。

例えば、試合前の計量の時に生意気なやつがいるんですよ。

そういうやつを試合でノックアウトして
「ほれ見たことか」と思って
ガッツポーズした瞬間に、僕らは
「やばい、やってしまった」と。

ガッツポーズは絶対に許してくれなかったです。
負けた選手に対して失礼だと。

汗水垂らして同じように練習しても、
全国大会に出場できる人とできない人が
いるわけじゃないですか。

悔しい思いをしている選手たちの上に
立っていることを忘れるな、
人の痛みを知る人間になれと
よく言っていました。

だから、適当な試合も許されませんでした。

たとえ負けても前に出て戦う姿勢を
失っていなければ励ましてくれましたし、
反対に、勝っても気持ちが乗っていなくて
消極的な時には、容赦なく叱られました。

苦しい時こそ前に出るんだと。

勝ち負けよりも、逃げるという気持ちの弱さが
見えるボクシングが大嫌いでしたね。

学校は人間教育の場であるし、
ただ強くなればいいっていうものじゃない。
それが武元先生のスピリットでした。

2022.04.22

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