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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.411

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いまの自分の実力を知りその実力に合った目標を設定できる
いまの自分の実力を知りその実力に合った目標を設定できる

2004年、2005五年の夏の甲子園大会で
連覇を遂げた駒大苫小牧高校へ、
初めてメンタルトレーニングに伺った時のことである。

野球部員の皆に目標は何かと尋ねたところ
「日本一です」という答えが返ってきた。

私は

「日本一になれる確率は4200分の1しかない。
 その確率はたった0・0002パーセントで、
 失敗の確率は99・9998パーセント。
 やっぱり無理だな、と思った人は?」

と聞くと、全員の手が挙がった。
甲子園に出場すること自体からも遠ざかっていた
2000年当時のことである。

続けて私が

「では日本一ではなく、
 北海道一になりたいと思ったことは?」

と聞くと、考えたこともないというふうだった。

北海道一にならなければ、当然日本一にはなれない。

また、北海道一になるためには区内一、
その前にはやはり、市内一になる必要がある。
私は彼らに、今年はここまで行くんだという
明確な目標と達成までの期限を決めさせ、
それを用紙に記入させた。

高校球児は得てして
「夢は大きく、達成は超白昼夢」
という状態になりがちだが、
達成は「超現実的」に考えていかなければ
ならないのである。

私自身がこうした能力開発プログラム
「SMI」に出合ったのは、20年近く前のことだった。

米国のポール・J・マイヤーによって
1960年に創始された当プログラムは、

現在28か国語に翻訳され、
世界80か国以上で活用されている。

当時26歳だった私は、
薬品会社の営業マンをしていたが、
SMIのスタッフと出会い、
「夢は何か」と聞かれた時に、
何一つ言葉が出てこなかった。

つまり、自分に夢と目標がないと
いうことにすら気付かない、
恐ろしい状態で生きていたのである。

私はそのスタッフから

「夢と目標をセットしなければ、
 人の能力は絶対に向上していかない。
 そしてもし夢を持ったなら、その夢を
 “目的”と“目標”に分け、
 達成までの期限を決めなさい」

とアドバイスを受けた。

言われたとおり、目標と期限を設定して
それに懸命に取り組むと確実に成果が出始め、
瞬く間に全国トップの売り上げを記録した。

さらにその原理を自分の部下にも使ったところ、
同様にぐんぐんと数字が伸びていったのである。

私はこのプログラムの素晴らしさを
より多くの人に伝えたい、と
退職を決意して札幌に代理店を設立。

以来、スピードスケートの清水宏保選手や
堀井学選手らトップアスリートを始め、

企業や教育機関などに
プログラムの提供を行ってきた。

私が思うに、ほとんどの人は
明確な目標を持っている時、懸命にそれに取り組む。

しかし本当の苦しみは、
その目標を達成した後に始まるのではないだろうか。

例えば念願の金メダルを手にした途端、
ケガや不調に見舞われ、試合に勝てなくなる五輪選手。

「地域一番店になる」「自社ビルを建てる」
と燃えていたが、その目標を達成した後、
目指すべきものが分からなくなり、
行き詰まっている経営者。

その人がいる「現在地」は、
本人の成長段階に合わせて刻々と変化していく。

私が、夢や目標を持つということと同等に
大切だと思うのは

「いまの自分の実力を知り、
 その実力に合った目標を設定できる」

ということ。

世の中で成功し続けられる人というのは、
一様にこの能力を備えた人ではないかと思う。

五輪や世界選手権で金メダルを取り続けている
柔道の谷亮子選手などは
その代表的な例だと思うが、
私は以前、こんなやりとりを目にしたことがあった。

2000年のシドニー五輪が始まる直前のことである。

彼女は自転車競技で連続の金メダルを取った
ある外国人選手とテレビ番組で共演していた。

その時、あなたが五輪に出る目的は何かと
尋ねられた谷(当時は田村)選手は

「もちろん金メダルです」

と答えた。五輪選手はその答えを受けて

「それじゃダメですね」

と述べ、こう後を続けたのである。

「私は金メダルを取ることを
 “目的”にしたことは一度もなく、
 金メダルを取ることは、
 祖国の子供たちに夢と希望を与えるための
 “手段”にしかすぎない。

 もっと多くの子供たちに
 夢と希望を持ってもらうために、
 私には絶対に金メダルが必要なの。

 あなたのように金メダル獲得を目的にすれば、
 取ったとしてもそこで終わってしまうでしょう」

この後、谷選手はシドニー五輪で
自身初となる金メダルを獲得し、
4年後のアテネ五輪でも、
見事、2大会連続となる金メダルを獲得した。

谷選手にあの時、どんな心境の変化が
あったのかは分からないが、
人は明確な理由に基づいて行動していくと、
必ずよい成果を出すことができる。

それが「セルフモチベーション」や
「自家発電能力」といわれるものである。

日本人はよく、テンションが高い人のことを
「モチベーションが高い」と捉えてしまいがちだが、
モチベーションは明るさや元気さのことを
指すのではない。

一見暗い性格で、地味な雰囲気の人でも、
やるべきことが明確で、その目標に向かって
こつこつこつこつ努力を続ける人は、
偉業を成し遂げることができる。

大切なのは、いまの自分の実力に合わせた
目標を設定し、絶えず新鮮なモチベーションを
つくり出すことである。
2019.10.15

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