本文へスキップ

      次代に輝く住まいを創る

TEL. 0246-65-2311

〒979-0154 福島県いわき市沼部町鹿野43

一語履歴WORD vol.645


過去の一語履歴を見ることが出来ます。

一語履歴 HOME
⇦前 一語履歴 次⇨ 
一語履歴 vol.650
節食は健康の基礎 650aその方自身の力です
一語履歴 vol.649
アジアの小国の主張が世界を動かした 649aがん細胞にも「ありがとう
一語履歴 vol.648
人間には奇跡というものは... 648a自分を変えない限り...
一語履歴 vol.647
人生は山あり谷あり 647a仕事に悩んだとき
一語履歴 vol.646
私たちは生きなければならない
一語履歴 vol.645
遊ばせてもらいました 645a私はいただくばかりの生活
一語履歴 vol.644
努力にも段位がある 644a共に語り合ったことで 644b紙屑はその国の...
一語履歴 vol.643
活力源となる名言 643a命の尊さ
一語履歴 vol.642
自国の国益に合致しない限り... 642a結局、教育がすべて
一語履歴 vol.641
自分で線を引ける
遊ばせてもらいました

渋沢栄一の令孫で100歳になられるいまも
エッセイストとして活躍中の鮫島純子さんは、
幼い日、家族と一緒に名古屋に向かう汽車の中で
偶然、新渡戸稲造博士と出会います。
その時の新渡戸博士と鮫島さんの会話から
博士の温かい人柄が伝わると同時に、
生きていく上で大切な考え方を教えられます。

(鈴木)
鮫島さんは子供の頃、
新渡戸稲造先生にお会いになったとか。
生きて新渡戸先生を知る貴重な存在ですね。

(鮫島)
あの時は父が名古屋方面に行く用事があって、
私も連れていってもらったのです。
わが家は普段の生活は質素でしたけれども、
父と汽車に乗る時だけは二等車に乗せてもらいました。

当時の二等車はガラガラで、子供でも好きなように遊べたのですね。
そのうちにだんだん厭きてきましたら、
後ろの席にいらっしゃるおじいちゃまが
私に紙切れをお渡しになった。
見ると「お名前は何とおっしゃいますか」と書いてあるのです。
昔のことですから「純子と申します」と書いてお渡しすると、
「お年はお幾つですか」とすごく丁寧な文字で返してくださって、
そういうやりとりを繰り返しているうちに、
すっかり仲良くなりましてね。

(鈴木)
それが新渡戸先生だった。

(鮫島)
ええ。でもそんなことはもちろん知りません。
その方のボックスに入り込んでお話を伺っていると
「ご家族と一緒に楽しい旅ができるということは、
 なんとお幸せなことでしょうね」とおっしゃって、
それにはたくさんの方々のご恩を受けてこそですねと
説明してくださった。

そして私の指を一本一本折り曲げながら、
誰のおかげで旅に出られたかを考えるよう促されるのです。
「お父様、お母様、それから留守番の人々、
 旅に出る服を整えた人、列車の運転手さん……」というふうに。

(鈴木)
無数の縁で生かされていることを教えられたのですね。

(鮫島)
そしてその種の尽きる頃に、
「お天道様や空気や雨もなくてはなりませんね。
 それはどなたがくださったのでしょう」
と神の大いなる恵みの中で
我われが生きているという気づきを促されたのです。

だから神様への感謝を最初に知らせていただいたのは
新渡戸先生だったのだなと思います。

(鈴木)
旅で出会った見知らぬ子供にまで神様のことを
伝えようとされていたのですね。

(鮫島)
小さなチャンスを捉えて伝道といいますか、
神様の恩寵をお話しになっていた姿勢に、
私たちも学ばなくてはならないと思います。

旅が終わる頃になって、父が立ち上がって
「汽車から降りる支度をしなさい」
という意味でこちらを見ましたら、
一高時代の恩師である新渡戸先生がいらしたわけでしょう。

驚いた表情で「おや、先生じゃいらっしゃいませんか」
と丁寧にご挨拶をすると、
先生は
「そうですか。あなたのお子さんでしたか。
 遊ばせてもらいました」と笑っていらした。

私は優しい新渡戸先生のお顔を思い出すたびに、
いまも感動の気持ちでいっぱいになります。

2022.03.11

バナースペース

櫛田建設株式会社

〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日