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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.556a

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一語履歴 vol.552
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一語履歴 vol.551
闘っていたのは自分一人ではない
いまから一時間あるけれど、何がしたい?

聖心会シスターで文学博士の鈴木秀子さん。

〈鈴木〉
私は心理療法の一つゲシュタルト・セラピーに取り組んでいた時期があるんです。
とても偉い先生をアメリカからお呼びし、
困っている人たちへのセラピーをお願いしました。
確か高校生だったと思いますが、
ある不登校の男の子が母親に連れられてやってきました。

母親には席を外してもらい、
応接間で先生とその子が向き合って座り、私が通訳をしました。
先生が「いまから一時間あるけれど、何がしたい?」と聞くと
「黙って過ごしたいです」と言うんですね。
すると先生は「うん、分かった」と言って
一時間ずーっと黙っていらっしゃる(笑)。

はるばるアメリカから偉い先生に来ていただいて、
お母さんも困り果てているのにと思って、
私も最初、気を揉んでいたんですけど、
いま自分にできるのは祈ることだと思って
「神様、この子の人生をよく計らってくださいますように」
と念じながら一緒にその場にいました。

長い1時間の沈黙が終わって、
この時間は一体何だったのだろうか、
というのが私の正直な思いでしたけど、
一週間後、その子の母親から電話があって
「次の日から息子は毎日学校に通っています。
あの立派な先生に何を教えていただいたんですか」って(笑)。

〈皆藤〉
私の経験からみても、
1時間何もせずに相手の命に向き合うというのは本当に大変です。

〈鈴木〉
私たちは沈黙というものを、
とても恐れますものね。誰かと話していて沈黙が続くと、
すぐに話題を考えて話し始める。

〈皆藤〉
私のカウンセリングは一人週に1回、50分間と決めているのですが、
その週に一度の50分間の沈黙が約3か月間続いた学生がいました。

〈鈴木〉
ああ、そんなに……。先生も忍耐なさいましたね。

〈皆藤〉
私は3か月経った時、その学生に「いくら何でも少しは話してもらわないと、
私としても考えることができないから」と言ったんです。
その子はふっと私を見て顔を赤らめて帰って行きましたが、
翌週から来なくなってしまいました。
私は自分が言ったことがルール違反だったのではないかと
いろいろと考えましたが、何年も答えは出ませんでした。

いま思うと、彼は沈黙しながら自分の将来について
じっと考えていたのかもしれませんね。

〈鈴木〉
その人の傍にいるだけで、
命の繋がりを感じ取ることが人間にはあるのだと思います。

2021.04.15

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