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幸せな人生を送ってほしいとの思い 事業会社としては戦後最大の負債を抱えて 破綻したJAL(日本航空)。 その再建に稲盛和夫氏の腹心として まさに命がけで取り組んだ大田嘉仁さん。 誰もが不可能だといったJAL再建は いかにして実現していったのか。 (森島) 大田さんの人生で一番の逆境といえばJALの再建になりますか。 (大田) そうですね。ご存じのように2010年、 JALは2兆3千億円を超える負債を抱え破綻しました。 その再建のために稲盛さんが私たちを伴ってJALで仕事を始めた時、 周りから「JALの社員は本当に慇懃無礼で傲慢で酷い。 だから再建も失敗する」と言われていました。 (森島) 世間では当時、 JALの再建は絶対無理だと言われていましたね。 (大田) そのような中で、私が一番よかったと思うのは、 マスコミが報道していたように傲慢な人間だけが JALに集まっているわけがない、彼らも普通の人間なのだから、 きっと自分の会社をよくしたい、いい人生を送りたいと思っているはずだと、 JALの社員を信じることができたことです。 稲盛さんも、社員を信じることができなければ、 組織を運営することはできないとおっしゃっていますが、 JALの社員を疑っても、全員を入れ替えることはできないわけです。 ですから、幹部を含め、目の前にいる社員は 必ず私たちの思いを分かってくれるはずだ、 そう信じなければ何もできなかった。 (森島) まず目の前の社員を信じることからすべては始まると。 (大田) そして、JALの社員が私たちを信じ、 ついてきてくれるためには、 彼らが心から納得できる大義がなければいけない。 自分の名誉や金儲けのためにJALを再建するんだったら、 誰もついてこなかったでしょう。 しかし稲盛さんも私も、 ごく自然にここにいるJALの社員たちに 幸せな人生を送ってほしいとの思いで、必死になって再建に取り組みました。 そういう大義、善き思いがあれば、 たとえ表面的に反発があったとしても、 最後は必ずついてきてくれるんですね。 やっぱり組織を変えるのは、現場にいる人たちですから、 彼らに納得してもらわないと物事は変わらないんです。 結果としてはJALの社員を信じたことは正しかった。 確かにおかしな社風はありましたが、 それをなくせば、マスコミが言うような人はいなくて、 純粋な人たちばかりでした。変な先入観を持たなくて本当によかったと思います。 |
2019.07.22 |
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