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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.423

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一語履歴 vol.430
当時100万部のベストセラーになった理由 430a行為は感情に先行する
一語履歴 vol.429
冷に耐え... 429a話したいこと伝えたいこと 429bこのままではいずれ
一語履歴 vol.428
明日は今日とは違う 428a文明の力は 428b学力日本一の村
一語履歴 vol.427
善因善果 悪因悪果 427a相手の幸せを願いながら撮る
一語履歴 vol.426
一緒に世の中を変えてくれますか 426aいい生活様式を得ればそれでいい
一語履歴 vol.425
年齢に込められた意味 425aスキンシップをバランスよく行う
一語履歴 vol.424
これ第一等の資質 424a経営・仕事が好きか 424b世間的な約束事などに
一語履歴 vol.423
誰もが加害者になる可能性がある
一語履歴 vol.422
物事を成功させる条件「無形財産」 422a古来聞き難きは道
一語履歴 vol.421
こういう時に働いてこそ 421a二十八歳で最年少監督として甲子園に出る
誰もが加害者になる可能性がある
                島田妙子

「大人は自分の感情に責任を持とう」。
そう語る島田妙子さんは、幼少期に6年間にもわたり壮絶な虐待を受けた経験をもとに、
児童虐待防止の活動を行っています。

虐待する人(加害者)もされる人(被害者)も救いたい――。
そんな思いで児童虐待防止の活動を始めて10年目に入ります。
私は7歳の時から兄2人とともに実母と継母から虐待を受けるようになり、
3度も死にかけました。中学1年生の時には自ら命を絶とうとしたこともあります。
幸い、1986年に中学2年生で児童養護施設に保護され、
こうして今日まで歩むことができました。

最近、わが子を死なせてしまうという痛ましい事件が立て続けに起こっています。
今年(2019年)1月、
10歳だった栗原心愛ちゃん(千葉県野田市)が命を落としました。
学校が実施した「いじめ調査アンケート」で自ら助けを求めていたにも拘らず、です。

昨年3月には児童養護施設に一時期保護されたことのあった
船戸結愛ちゃん(東京都目黒区)が、5歳で儚い生涯を終えました。

虐待をしてしまう親の支援にも力を入れている私としては、
「彼女の親たちが私に出会っていれば……」とやるせない気持ちでいっぱいです。

残念ながら、モノが溢れて豊かになればなるほど、
心の豊かさが失われてきた感がしてなりません。
職場や地域コミュニティーではよい顔ができていても、
仕事や家事の忙しさから一歩家の中に入ると、感情のコントロールができなくなってしまう。
虐待とまでいかなくとも、イライラして家族に当たったこと、
感情のままに怒ってしまったことは誰にでもあると思います。

心愛ちゃんの父親も、外では穏やかだったといいます。
しかし、自分の感情を抑えることができずに、
虐待という形で子どもに当たってしまいました。

子どもであれば感情のまま行動しても許されるかもしれませんが、
大人は自分の感情をコントロールできなければ取り返しのつかないことになります。
子どもの命を奪ったり、逮捕されてからでは遅いのです。

私自身も虐待を受けていた過去があったため、
子どもが生まれた時、「絶対優しいお母さんになる」と心に決めていました。
にも拘わらず、子育てに介護が重なり、
多忙ゆえに家族にきつく当たってしまったことが何度もあります。

自分が大人になり、母になって初めて、
誰もが加害者になり得る恐ろしさを知りました。

「怒ってしまうのは、お母さんのせいじゃない」

人間である限り怒りが生ずるのは当たり前で、大事なことはどう対処するか。
そう学んでから一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定の
ファシリテーターの資格を取り、
アンガーマネジメントの指導に力を入れるようになりました。

アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれた
怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングで、
2011年頃から日本でも広まり始めました。

アンガーマネジメントを直訳すると「怒りの管理」になりますが、
怒りを我慢したり抑え込むことではありません。
私は「怒ることに後悔しないためのスキル」と表現していますが、
怒った時に適切にその感情に対処し、
自分の感情に責任を持てるようにするためのプログラムです。

では怒っている時に身体の中では何が起こっているのかというと、
心拍数と血糖値を上昇させるアドレナリンというホルモンが大量分泌されることで、
脳や身体が緊張し、興奮状態になっているのです。

特に女性の場合は、出産や育児などライフスタイルの変化によって
精神の安定を司るセロトニンと呼ばれるホルモンが激減しやすいといわれています。
その上、日常生活のストレスが加わることでアドレナリンまで付加されてしまうのですから、
感情表現はどうしてもきつくなりがちです。
子育ては思い通りにならないことのほうが多く、
「怒りたくないのに怒鳴ってしまう」「一度怒り出したら止まらない」
という悩みを抱えるお母さんが大勢いるのはそのためです。

そうしたお母さん方に、私はこう伝えています。
「怒ってしまうのは、皆さんのせいではありません。アドレナリンの仕業なんです」
この言葉を聞くと、多くのお母さんが安堵の涙を流します。

怒りと上手に付き合う方法

アンガーマネジメントは怒ることを禁止しているのではありません。
アドレナリンの働きを知って怒りの感情と上手に付き合うことが大事です。
その代表的な対処法が「数を数えること」です。
アドレナリンは一気に分泌されるものの、
長くても6秒経てば減少傾向に入るといわれています。
イライラを感じたら、心の中で数字を数えてひと呼吸おいてみることが、
最も早く効果が表れる方法です。

とはいえ、子育て中のお母さんの中には
「いいえ!6秒では怒りは収まりません!」と感じる方もいると思います。
そんな時の脳は、絶えずアドレナリンが出続けている状態。
カチンと怒りがこみ上げてきた時にまず1回目のアドレナリンが出、
そのあと舌打ちや机を叩いたりすると立て続けに2度目のアドレナリンが分泌されます。
さらに大きな声で怒鳴ることで3度目が加わる……。
このように、常にアドレナリンが出続けているために怒りが静まらないのです。

アドレナリンを上手にやり過ごす方法としては、「深呼吸」がお勧めです。
呼吸を整えて自分を落ち着かせたら、感情的に怒りをぶつけずに済み、
相手に対してより適切な言葉を掛けられるようになります。

また、気分転換に入浴したり、
一旦その場を離れてみるだけでも気分を落ち着かせることができ、
本当に怒るべき問題かどうかを冷静に判断できるようになるでしょう。

2019.11.17

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