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「体」と「心」の構え 千宗室(裏千家第十六代家元) 千利休居士を祖とする茶道家元の裏千家の千宗室さんと 臨済宗円覚寺派管長の横田南嶺さんの対談抜粋 【横田】 お家元に初めてお目にかかった時に 印象に残ったことを思い出しました。 それは歩き方です。 私はたくさんのお坊さんを見ますけど、 お焼香に行く時の歩き方をほんの数歩見れば、 「ああ、これは」と良くも悪くも分かるんですね。 大仏茶会の時にお家元の歩き方を見た時に、 この方は一体どれくらいの修練を 積んでこられたのかと深く感じ入りました。 【千】 私も稽古をつける時は、まず足を見ます。 この子は「ええな」、 この子は「あかん」と思うのは、 やっぱり足で分かります。 【横田】 私は10歳から坐禅をしていたと威張っていますが(笑)、 お家元は6歳から徹底的に仕込まれた。 それは当然そういう歩き方になるんだなと思いました。 【千】 スイカですけどね(笑)。 でも、スイカを下から抱える持ち方は 茶碗や棗(茶器)を持つ構えと同じなんです。 祖母はそうやって鍛えてくれました。 あとは月に2回、土曜日の午後に 金剛流のお仕舞を習わされた。 もう嫌で嫌で仕方なかったんですけれども、 いま振り返るとやってよかったなと。 やっぱり構えですね。あと体幹っていうんでしょうか。 そういうものを知らず知らずのうちに 身につける環境を祖母や母が整えてくれた。 本当にありがたいことです。 【横田】 私は円覚寺で若い修行僧を20名ほど預かっています。 我々はお茶のお点前みたいに難しいことはなくて、 ただずっと一緒に坐わっているだけなんですけど、 修行を続けていくと、その坐相が変わるんですね。 それを見るのが楽しみなんです。 【千】 私どもの世界でいうと、お点前をしている時の 構えが変わったというのと同じでしょうか。 これは「体」のみならず、「心」の構えも意味します。 私は大学2年の20歳の時に先代から 「おまえ、坐れ」と言われて、茶道の稽古場に出されました。 まだ自分に充分人様を指導する修業が足りていないのに、です。 50年続けてきて思うのは、お弟子さんたちは皆、師匠だなということです。 |
2026.04.20 |
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