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一語履歴WORD vol.819


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マザー・テレサの教え
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一生を一日として計算しなさい  (東井義雄の教え)
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「一生愚痴は言うまい」

一生を一日として計算しなさい  (東井義雄の教え)

          西村徹(豊岡市立府中小学校教諭)

卒業の前に東井義雄先生からいただいた
色紙を持ってまいりました。

「あすがある
 あさってがあると考えている間は
 なんにもありはしない
 かんじんの
 『今』さえないんだから」
 
その脇に、小さく
「『自分をつくっていくということは
 一秒一分でもだいじにすることだ』 西村徹君」
と添えられています。

八鹿小学校では、卒業時に六年生一人ひとりに
東井先生がそれぞれに合った言葉を
色紙に書いてくださるのが慣例でした。

いま同級生に会うとみな口を揃えて、
なぜ東井先生は自分たちが小学生の頃に
こんなにぴったりとした言葉を贈ってくださったのか
不思議だと。

それだけ一人ひとりを
よくご覧になっていらしたのでしょうね。
その眼力には感服いたします。

ただ、恥ずかしながらこの言葉をいただいた時は、
意味を深く考えることもなく、
しばらくすると押入れにしまってしまいました。

ところが、自分が教師になり、
子どもたちにうまく教えられないと
混乱していた時期がありまして、
その時ふとしたことからこの色紙が出てきたんです。

この言葉を見た瞬間、
自分はいま地に足をつけて教師という仕事に
取り組んでいるか、
いまやらなければいけないことから
逃げてはいなかったかと強く自問しました。

私にとってはこの色紙との再会が
「二度目の誕生日」であったなと思います。
それからはずっと壁に掲げて、
毎朝これを見てから学校に行くようにしています。

この色紙と再会したばかりの頃は、
きょうの仕事を明日に延ばさないというような
意味に捉えていましたが、現在は

「いまに感謝して、いまを味わわなければダメだよ。
 明日や明後日のことばかりを考えて、
 いまの自分を味わわなかったらダメだよ」

と教えられているように感じてきました。

東井先生はよく

「一生を一日として計算しなさい」

ともおっしゃっていました。
仮に人生を七十二年として
二十四時間にあてはめてみると、
一時間は三年間にあたる。

つまり三で自分の年齢を割ってみるとよいと。

私も担任している子どもたちにこの例を用いて、
「君たちが十二歳なら朝の四時だ。
 東井先生は人間には五千通りの可能性があると
 おっしゃったが、どんな自分になるか、
 それをつくっているのは“いま”だよ」
と話をするんです。

一方で、いま私の年齢を三で割ると十六ですから、
午後の四時にあたります。
次第に人生の日が暮れかかっていく中で、
その「いま」をどう味わっていくのかも
問われていると思います。

2024.10.20

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