本文へスキップ

      次代に輝く住まいを創る

TEL. 0246-65-2311

〒979-0154 福島県いわき市沼部町鹿野43

一語履歴WORD vol.696


過去の一語履歴を見ることが出来ます。

一語履歴 HOME
⇦前 一語履歴 次⇨  
一語履歴 vol.700
今日一日は 信頼を 礼節を知り 行き詰まり 現場には宝物が
一語履歴 vol.699
心豊かな生き方 会社が終わってから 幸せを 責任感 目覚め
一語履歴 vol.698
燃えるもの 励まされた 滲み出る 事を制する どちらが伸びる
一語履歴 vol.697
何をしましたか 社会は 無理がきく 遠慮 努力することの本当の意味
一語履歴 vol.696
お母さんのへそのお
一語履歴 vol.695
もと来りて あさみどり 堅忍不抜 どんな境遇に 理念は有っても
一語履歴 vol.694
問題解決方法 事実は一つ 続ける効果 本来の価値 人生は越えても
一語履歴 vol.693
成功も花 適正な目標 努力の報酬 生きているだけで 不成就の所以
一語履歴 vol.692
選手の育て方 井払い 自分の城 少年易老學難成 養生とは
一語履歴 vol.691
一言よく人を生かす 努力することの 無事是貴人 いかなる教育も 時中
「お母さんのへそのお」 
東井義雄(教育者)『自分を育てるのは自分』

私の近くの中学三年生の夏休みの宿題は、毎年決まっているんです。

それは、お母さんから、生まれた時のことを、
ずっとお聞きして、「おいたちの記」を書くというのが、
その中学三年生の宿題になってるんです。

ある年の中学三年の背の高い体格のいい、
いうことを聞かん、やんちゃ者がいたそうです。

夏休みになった晩、

「お母さん、おいたちの記を
 書いていかんならんのや、
 僕の生まれた時のことから話しとくれ」

お母さんは黙ってお仏壇のほうへ行ったという。
包みを持ってきました。黙って渡しました。

「何包んでんのや」

開いてみたら、まだ包んである。
次のを開いてもまだ包んである。

「何をたいそうに包んで、包んでしとんやろうか」

開いて、開いて、開いて、開いていきましたら、
最後に出てきたのが、爪だったといいます。

「何だバカらしい。爪なんか」

 と言い返した時に、お母さんが、

「あんたが生まれてくれた時、
 どんな子が生まれても、文句をいうてくとこなかったのに、
 両手にちゃんと十本の指が揃っていてくれた。

 お母さんはうれしうてうれしうて、
 あんたの最初の十本の爪を、
 お母ちゃんの宝物にして、大事にしてきたんやで」

とおっしゃった時、その中学三年の、
大柄の、いうこと聞かんやつが、

「お母ちゃん……」

いうて、お母さんの首たまにくっついて、
お膝の上にぽとぽとと涙を落としたところから、
そのおいたちの記がはじまっているんだと、
校長先生からお聞きしたことがあります。

いい夏休みをすごしたもんですね。

宿題のおかげで、このいうこと聞かん、やんちゃ者が、
このお母さんによって育てられてここまできた。

大柄な体でありながら、
小さい自分が大きなものに祈られている、
願われている、その中の自分であったということに
目覚めたということでしょうね。
2023.04.07

バナースペース

櫛田建設株式会社

〒979-0154
福島県いわき市沼部町鹿野43
Mail infous@kushida-web.com
TEL 0246-65-2311
FAX 0246-65-2313
定休日:土曜日・日曜日