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      次代に輝く住まいを創る

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一語履歴WORD vol.540

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靴製造の技術を持たなかった地方企業でありながら、
高齢者や障碍者のためのケアシューズの開発に挑み、
大ヒットさせた徳武産業。徳武産業は、
昨年末に第3回「日本サービス大賞」にも輝きました。

(――ケアシューズに取り組まれたきっかけは?)

(十河) 
老人施設の園長を務める知人から
「床の環境を変えてもお年寄りの転倒は減らない。
何かいい履き物を開発してもらえないか」
と相談を受けたことですね。

しかし、スリッパやルームシューズしかつくったことのない会社に
いきなり靴をつくれと言われてもそれは無理です。
何度かお断りしたのですが「どうしても」と言われまして、
家内と2人で研究を始めました。
ところが、いざ始めてみると大変で、
まずそれまでの技術では全く歯が立たない。
靴の製造だけでも難しいのに、
転倒防止など大手もやったことのない技術を
たくさん開発しなくちゃいけなかったんです。

(――で、どうされたのですか。)

(十河) 
先ほど申し上げた神戸の技術者の先生と一緒に、
高齢者の靴について一緒に研究しながら試行錯誤を繰り返しました。
靴のつま先に適度な反り返りをつけることで、
躓きにくくできるのを発見したのもその成果の一つでした。

これとは別に高齢者500名にモニタリングして、
実際にどういう場面で困っているかを細かく聞いて、
何がお手伝いできるかを研究しました。
2年ほどするといろいろな試作品が完成し、
なんとか格好がつくようになったんです。

靴製造のノウハウを持たない私どもには長い長い2年間でしたが、
これを靴メーカーとなる一つの足がかりにしたい、
という一念でしたね。いまは市場が見えなくても、
挑戦しない限り企業の成長はないという考えもありました。
無謀ともいえることを続けたのもそれほど切迫した思いがあったからです。

――「あゆみ」はどのような方法で広まりましたか。)

(十河) 
私どものスタートは通販です。
初めは全国約1万か所の老人施設のうち
1500か所にカタログを送ってみたのですが、レスポンスがあったのは3%。
お年寄り向けに販売価格を抑えたことを考えれば、採算は合いません。
どうしたものかと悩んでいた時、
「あゆみ」の研究開発に協力くださった
老人施設の夏祭りをお手伝いさせていただく機会がありました。

イベントが終わって、シルバーカーを押して
部屋に帰る90歳くらいのお婆さんの足下を見たら
赤い水玉の「あゆみ」を履いておられたんです。
社員と一緒に駆け寄って話しかけましたら、
「これ調子いいな。左右のサイズが違う靴を
あんたが上手につくってくれているので私にピッタリや。
死ぬ前に一度、水玉の靴で歩いてみたかった。
いつも足下に置いて寝とるよ」と。

これを聞いた時「ああ、役に立っているんやな」
となんとも言えない勇気が湧いてきましてね。
もう一度、通販のアイデアを練り直して挑戦しようと決めたんです。

(――やり方を変えられた。)

(十河) 
その頃、私どもはカタログをお送りした
全国の老人施設の手応えを知るために、電話をしてみました。
すると「そんなにいいんだったらカタログを送ってよ」
という答えが返ってくるんです。
「1か月前に送りました」と説明すると
「いや、手元に届いていない」。いつもその繰り返しでした。

(――送ったカタログが見られていなかったのですね。)

(十河) 
それ自体は残念でしたが、
必要な人に必要なタイミングできちんと説明すれば
十分分かっていただけると気づいたのは大きな発見でしたね。
プロのテレマーケティング業者に頼んで電話を掛けたら、
カタログのレスポンス率がなんと50%。
うち30%の施設に靴を買っていただけたんです。
2021/02/16

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